接客と接遇の違いとは|リピーターに繋がるワンランク上の接客術

「接客」と「接遇」何が違うの?
なんて疑問に感じている方もいらしゃるのではないでしょうか?

こちらでは、
【接客と接遇の違い】【接客業で身に付けておきたい接遇マナー】【ワンランク上の接客術】
をご紹介します。

近年、接客業では、良い商品を提供する、良いサービスを提供するだけでなく
+αの付加価値が求められています。
+αの付加価値とは、人だからできるサービス、つまり接遇に通ずる
相手を思いやる気持ちを語言化して伝えることです。
その言動が、お客様満足、更には感動に繋がり、再来店に繋がっていくのです。

選ばれる店舗、選ばれる人財になるために、接客業では「接遇」が必要不可欠なのです。

接客と接遇の違いとは

接客と接遇、言葉は似ていますが、意味は全く違うのです。
この二つの違いは、接客に+αがあるかないかです。

「接客」(サービス)は、【客】と【接する】と書くので、
意味としては言葉通り、相手と接するということです。

例えば、お客様が来店されたら「いらっしゃいませ」と挨拶をし、「よろしければご用件をお伺いします」
とアプローチをする。
マニュアルにもこのように書かれているお店もあるのではないでしょうか?

一方「接遇」の【遇】には、「遇する=もてなす」という意味があります。
つまり接遇には「お・も・て・な・し」の心が存在します。
日本のおもてなしには、目配り・気配り・心配り とも言われています。

おもてなしが加わった対応例として、
「いらっしゃいませ、お足元の悪い中ご来店ありがとうございます」
「お客様がお持ちのバックとても素敵ですね、どちらで購入されたんですか?」と
目の前のお客様だけに向けた声かけ、アプローチをします。

もちろん、マニュアルに書かれている通り入店されたら挨拶をして、アプローチをするのは同じですが、+αのお声かけや、相手を気遣う言葉があるかないかで違います。

形だけにとらわれずに、気持ちが伝わる「相手を思いやる気持ち」を持って対応すること
これが「接遇」です。

その気持ちが相手に届どけばきっと皆さんのファンになってくれることでしょう。
ぜひ、この記事を参考にしてください。


接客業で身に付けておきたい接遇マナー

では、具体的に接遇者として、どんな能力を備えておけば良いのでしょうか。


お客様対応に正解はありませんが、一人ひとりに合ったおもてなしができるよう
以下の接遇マナーは日頃から意識して身に付けるようにしておきましょう。

1.ビジネスマナー
社会に出て働くためには、ビジネスマナーはしっかりと習得しておきましょう。
ビジネスマナーができているかいないかで、相手に与える信頼度は大きく変わってきます。

接客時の表情や身だしなみは整っているか、正しい敬語を使うことができているか、
基本の電話対応ができているかなど、今一度自身のビジネスマナーレベルを図ってみましょう。
できているつもり、やっているつもりでも、
他者から見てできていないと判断されることもあります。
自己目線ではなく、他社目線で自身のビジネスマナーをチェックしてみましょう。

2.コミュニケーション能力
コミュニケーション能力にたけている人財は、お客様からも企業からも必要とされ、信頼されます。

コミュニケーションとは、「話す力」「聴く力」「共感する力」この3つが必要です。

相手が聞き取りやすく、理解しやすい話し方は声のトーンや、大きさ、ペースに気を付け、文章の構成を考えながら話す必要があります。自分が好きなように話しているだけでは、相手にうまく伝わらない可能性があります。
相手の話をしっかりと反応をしながら聴き、話を理解できる能力が必要です。「そうなんですね」というあいづちを繰り返すだけ、「はいはい」と返事をするだけになっていませんか。
あいづちはバリエーション豊かに、表情やしぐさを添えて行いましょう。
接客業では、共感する力が特に重要です。人は感情の生き物です。相手の気持ちにいかに寄り添えるか、それを言葉に出して伝え、感情を揺さぶれるかここが非常に重要です。相手が思っているだろう感情を言葉に出して伝えましょう。

クレーム応対能力
接客業においてクレームは切っても切り離せないものです。
実際に起こった時にいかに迅速かつ正確に対応できるかで、企業のその後の信頼を左右します。クレーム応対は企業にとってとても重要視されているのです。

納得のいく謝罪と提案、そして再度利用してもらえるような姿勢を示すこのクレーム応対こそ、接遇能力が大きく問われてくるでしょう。クレーム応対はマニュアル通りにいくことはまずありません。しかし、クレームはうまく対応できればリピートに繋がり、自社のファンになってくれるお客様は多くいらっしゃいます。
話術と精神力を兼ね備えいかなる場合も臨機応変に対応できるよう普段から危機管理能力、接遇能力を高めておきましょう。

皆さんの接遇マナーレベルはどのくらいでしょうか。
ぜひ相手目線でマナーレベルをチェックしてみましょう。

ワンランク上の接客術 接遇ポイント3選

1.お客様を観察すること
目の前にいらっしゃった方の服装、表情、言葉の意味を考え、相手を観察します。
そこから得られた情報を、自身が伝える言葉に反映させていくと信頼度がグッと増します。

例えば、「今日は娘にプレゼントを・・・」と仰ったお客様に対して
「娘さんにプレゼントなんですね、何かお祝いごとですか?」など目の前の方に興味関心を持って言葉を投げかけましょう。
そこで「娘の誕生日で」など返事があれば、「誕生日なんですね、おめでとうございます」と喜びを一緒に分かち合えると心の距離がグッと縮まるでしょう。

ポイントは、相手に興味関心を持ち、その方が発した言葉を聞き逃さずに、会話に反映させていくことです。決して「そうなんですね」だけに終わらないように会話を広げていく意識を持ちましょう。
お客様を観察することは接遇者としてとても重要なことなのです。

2.共感の言葉をたくさん使うこと
人は感情の生き物です。
この感情の部分にフォーカスを当てて会話をするとお客様は自分のことをしっかりり理解してくれていると感じます。そこから信頼関係が生まれていきます。

例えば、「今度高校の同窓会があって・・・その時に着ていく洋服が欲しい」と仰った方に対して
「高校の同窓会ですか、それは久しぶりに同級生にお会いになるんですね、ドキドキしますが楽しみですよね」と、お客様が感じていそうな気持を言葉に変えて伝えることです。

接客業で、商品やサービスを購入してもらいたいときなどは、購入後その方、企業にとってどんなハッピーな出来事があるのか、どんなメリットがあるのか、周りからどのように思っていただけるのかを伝えながら提案すると購買意欲が増します。

上記の例では、「こちらのお洋服を着ていけば、久びりにあった同級生はきっと昔と印象が180度変わったとビックリしてもらえますよ」と返すことができます。
共感の言葉を投げかけることは、接遇者にとって必要不可欠です。

3.名前を呼ぶこと
人間は承認欲求が強い生き物です。
認められたい、褒められたいなどの欲求を誰もが持っています。
そこをしっかりと認めてあげることです。名前を呼ぶことは非常に効果絶大です。
接遇者としてはここは必ず押さえておいてほしいポイントです。

初めてお会いする方の場合は難しいですが、何度もいらっしゃっているお客様に対しては必ず名前を呼んで接客を行うようにしましょう。


お出迎えの時から、「伊藤様、ご無沙汰しております」「伊藤様こんにちは、ご来店ありがとうございます」と名前でお出迎えし歓迎の気持ちを伝えていきましょう。

接客業では、お客様の名前と顔、趣味などを覚えることは非常に重要です。
二度目の来店で名前でお呼びし、以前の会話の内容から今回の商品選びに繋げると、自分のことを覚えてくれているとお客様の満足度はアップします。

名前と顔、趣味、購入商品などメモに残して覚えることもしてみると良いでしょう。
良くいらっしゃる方に対しては、たとえ自分のお客様でなくても、名前を呼ぶだけで、お店全体で歓迎されていると思っていただくことができます。

名前を覚えるなどの記憶力は接遇者として日頃から高めておく必要があるでしょう。

いかがでしたか?

接客と接遇の違い、接遇のポイントはご理解いただけましたか。
選ばれる企業、選ばれるスタッフになるために、是非接遇マナーを身に付け、多くのファンを作っていってください。

接客業において大切なことは、
形だけにとらわれずに、目のお前のお客様だけの対応、気配り、心配りをいかに語言化して相手に伝えることができるかどうかです。
相手に寄り添い、相手の未来を想像できるような提案ができれば、購買意欲が高まるだけでなく、皆さんの信頼度も大きくアップすることでしょう。

接客ではなく、接遇レベルの対応ができるように取り組んでいきましょう。