「労い」は相手のやる気を引き出す魔法の言葉

労い(ねぎらい)とは、相手をいたわり感謝する気持ちをもって行動に表すことです。
ビジネスの場面では、上司から部下に使われることが多いです。
しかし、労いはビジネスの場だけではく、プライベートの場面でも是非使ってほしいものです。

労いとは「お疲れ様」「いつもありがとう」などがありますが、これらを言われると自然にうれしい気持ちになりませんか?
相手に感謝を伝えることで、相手の気持ちを高め、モチベーションを上げ、更にはやる気を引き出します。
労いの言葉は魔法の言葉といっても過言ではありません。

しかし、現代の社会においてこの労いの言葉が不足していると感じる場面があります。
例えば、
「休みを返上して仕事をしているの誰も何も言ってくれない・・・」
「徹夜をして資料をまとめたのに、上司からいきなりダメ出しをされる・・・」
「子供が非行に走ったのは、お前のしつけが悪いからだ」
「友達の旦那さんはもっと稼いでるのに・・・給料が低くくてやっていけなわ」
「新入社員は苦労して当たりまえだ。俺の時はもっと厳しかったんだ、もっと頑張れ」
など、労い不足は、職場だけでなく、日常でもあふれているのです。

労い不足は、相手のやる気を損なわせ、時には、生きる気力さえも奪ってしまいます。
言葉一つで、居心地の悪い場所へと変えてしまうのです。

労いの言葉は誰もが必要としています。
労うことで相手の心が開き、相手を癒してくれます。
相手を無条件で認めることは、相手に自分の存在価値に気づかせることができます。
いつも見てくれている、仕事の取組み姿勢を認めてもらっていると感じることができれば、
とても嬉しくなりますよね。

いつもそばにいる相手を、あなたは「労」っていますか?
そして、自分自身を労っていますか・・・?

「褒める」と「労う」の違いは?

まず「褒める」ですが、何か物事をやり遂げた、達成した、成功したときに相手に掛ける言葉が「褒めるです。
「今回のプロジェクトがうまくいったのは君のおかげだ!ありがとう」
「テストで良い点を取れたね、頑張ったね!」
「仕事をしながら介護もしているなんて、良くやっているね」
など、何かしたときに誉め言葉をつかいます。
つまり、「褒める」は、何か行動に移して上手くいった時の言葉、条件付きの言葉なのです。

一方で「労う」は、無条件で掛ける言葉です。
成果として表れていなくても、そのプロセスや姿勢、存在価値を認める言葉、それが「労い」です。
「いつも遅くまでプロジェクトを進めるために仕事をしてくれてありがとう」
「テストに向けて頑張っているね」
「介護にも真剣に向きあい、仕事もきっちりとこなしていて素晴らしいね」

褒めると労うの違いは、
褒めるは良い結果を称する時に使い、労うは、結果に関わらずに感謝の気持ちを述べることなのです。
何か行動しているとき、やり続けている時、やろうとしたときなどに労いの言葉を掛けることができるのです。

人は、褒められると嬉しいものです。
しかし、いつでも結果を出せるわけではありません。
人の気もちを高め、行動を促進したり、やる気にさせるのは、結果がでる前の段階から承認してあげるることができるのが労いです。
結果にとらわれず相手を認め、行動や態度に労いを表することで、承認欲求がみたされ、自信に繋がり、行動に繋がっていきます。
必要とされている、役に立っているんだと感じることでやる気が沸いてくるのです。

そして、労うのは、決して相手だけでなく、普段の自分を自分で労ってあげましょう。
失敗したとき、うまくいかなかった時には労いを忘れてしまいがちです。
そんな時こそ落ち着いて
「大丈夫、いつも頑張っているよ」
「行動できている自分てすごい」
そんな言葉がかけられると、自分自身の気持ちが楽になることでしょう。

人は、認めてもらうと嬉しくなり、自信に繋がり、行動に移していきます。
仕事だけでなく、日常の生活の中でも労いの言葉を沢山使っていきたいですね。

労いの言葉集

労いの言葉は、ビジネスだけでなく、プライベートでも沢山使っていきたいものです。
相手の気持ちや、行動に対して労いの言葉をかけてあげましょう。
相手の気もちを高めるだけでなく、お互いに良い関係を作ることができるでしょう。

【仕事での労いの言葉例】
・いつもありがとう
・あなたの仕事に対する姿勢は素晴らしい
・感謝しているよ
・いつも良く頑張っているね
・あなたならきっとできるよ(うまくいくよ)
・努力が実を結んだね
・大変でしたね
・さすがですね
・無理しないでくださいね
・いつも頼りにしています
・いつも気遣ってくれてありがとう
・〇〇さんのおかげで上手くいきました
・ご指導ありがとうございます
・学ばせていただくことが多いです

【家族への労いの言葉例】
・ゴミ出しをしておいてくれてありがとう
・いつも子供のお迎え(送り)いってくれるから助かっているよ
・いつもご飯の準備をありがとう
・いつも遅くまでお仕事お疲れ様
・家族を支えてくれていつも感謝しています
・いつも応援しているよ
・一緒に乗り越えよう
・無理しすぎないでね

さいごに

いかがでしたか。
労いの言葉は、たとえ一言であっても、相手の心が救われることがあるのです。
そして、自分自身の気持ちも救ってくれるでしょう。

人は承認欲求が高い生き物です。
自分の行動、存在を認めてほしいと無意識に思っているのです。

それらの欲求が満たされると、人は満足し、行動意欲が増していきます。

あなたの身近な人に「いつもありがとう」「感謝しているよ」「無理しないでね」
そして自分自身に「大丈夫、私は頑張っているよ」
と、労ってあげてください。

労いの言葉は魔法の言葉なのです。