「売れっ子販売員」と「売れない販売員」の決定的な違いとは?

販売員の醍醐味といえば、物が売れて、お客さまに喜んでいただけるということでしょう。
逆にいえば、物やサービスが売れなければ、販売員としてのモチベーションが下がってしまい、仕事への意欲もなくなってしまいます。

では、物やサービスを売るためにはどのようなことすればよいのでしょうか?

おしゃべりが上手なこと?商品知識が豊富であること?

もちろん話の饒舌さ、知識も大切ですが、商品やサービスを売るためにもっと大切にしていただきたいことがあります。
それは
「お客さまの気持ちを知ること」、つまり「お客さま本位の接客」です。

これができていないと、ただの押し売り、お客さまが本来望んでいないものを進めてしまう可能性があり、そのため、商品やサービスは売れません。

お客さまは、自分が欲しいもの、合うもの、役に立つものが欲しいのです。

ですから、販売員としてまずはお客様の気持ちをしるところからスタートするべきなのです。
売れっ子販売員と売れない販売の違いを解説していきます。
物やサービスを売る仕事をしている人は是非参考にしてください。

売れない販売員の特徴

商品の知識の勉強もしっかりとしているし、お客さまにも積極的にアプローチをしている。
だけど、なぜか商品・サービスが売れない・・・といった経験はありませんか?
そんな販売員の方にはこのような傾向があることが多いです。

・一方的に商品説明をしている
・会話に間がない
・販売員が売りたいものばかり勧めてくる
・想像や思い込みで話してくる
・必死さが伝わってくる
・目が笑っていない
・会話が続かない(消極的)

お店が売りたいもの、スタッフお勧めの商品があるのは非常によく理解できます。
しかし、そればかりを押し付けてしまっては、お客さまは逃げてしまいます。

販売員としての表情管理、コミュニケーションスキルはもちろんのこと、
売れない販売員は「自分本位」で接客をしているということです。
販売員は、お客様が望むものを探すためのサポート役ですから、自分が売りたいものを押し付けるのでは、本来の販売員の仕事とはかけ離れてしまいます。

また、販売員自身の思い込みや想像で話すことも危険です。
例えば、「フレンチレストランにいくときの服を探している」というお客さまに対して
フレンチレストラン=きちっとした格好
という思い込みで話を進めてしまわないようにしましょう。
フレンチレストランといっても、カジュアルな雰囲気な店舗もありますし、昼と夜では雰囲気が異なる店舗もあります。
また、誰と行くかで洋服などのイメージが変わってくることもあります。

知識が豊富な分、おすすめしたい、伝えたい気持ちが強くなるのは理解できますが、提供する情報が
はたして相手が必要と感じているものなのでしょうか。
この機会に接客の仕方、内容を見直してみてくださいね。

売れる販売員の特徴

一方で、売れる販売員はどのような特徴があるでしょうか。
売れる販売員はこのような特徴をもっている方が多いです。

・笑顔で感じが良い
・質問スキルが高い
・一方的でなく双方のコミュニケーションが取れる
・提案に無理強いがない
・プロならではのアドバイスや提案がある
・褒め上手
・購入に至らなくても丁寧なお見送りと再来店への促しがある

接客業として必要なマナーが備わっていること、お客様本位で接客を進める点が売れない販売員との大きな違いでしょう。

販売員であれば、売り上げ目標があることでしょう。そればかりに取らわれてしまい、必死になってしまうと自分本位の接客になってしまう可能性があります。

お客さまが本当に欲しいと思っているもの、イメージしている姿、購入後のメリットなど、
売れる販売員は質問を通じてお客さまからヒアリングしているのです。
一方的ではなく、自然な会話の中で。
ヒアリングした内容から、お客さまと商品を結び付けて説明や提案を行うので、お客さまの欲しい気持ちが高まり、物やサービスが売れるというわけです。

また、売れる販売員は相手の心を掴むことが上手です。
仮に、その日に購入に至らなくても、接客の最後の最後まで気を抜きません。
来店へのお礼と、楽しい時間を過ごせたことのお礼、自然に再来店を促す言葉を伝えているのです。

売れる販売員になるためには

では、売れる販売員になるためには、どのようにしたらよいのでしょうか?
以下の4点、日頃の接客から意識して取り入れてみてください。

・基本のビジネスマナー(表情・立ち居振る舞い・言葉遣い)をマスターする
・質問スキルを磨く
・傾聴スキルを磨く
・クロージング力を磨く

まずは、販売員として、社会人としても基本である、
「ビジネスマナー」を見直しましょう。

具体的には、表情・身だしなみ、立ち居振る舞い、言葉遣いです。
表情は、常に親しみやすい笑顔であること、会話の内容に応じて表情変化があるとなお良いです。
目元で笑顔だとわかる表情で接客できていますか?

待機時も、お客さまが話かけやすい表情を意識しましょう。
身だしなみは、年齢・性別問わず誰からみても清潔感のある身だしなみになっているでしょうか?
店舗のイメージに合っているかどうかもチェックしましょう。
立ち振る舞いは、販売員としての質が現れるます。
歩き方、座りか方、商品の持ち方、見せ方、提供の仕方、物の受け渡しなどがあります。
足を引きずって歩いていたり、足を組んで座っていたりしていませんか?

商品は両手で丁寧に、商品の特徴・シルエットがわかるようにもって見せると良いでしょう。
どんなに小さいものでも両手でもつことで、商品を大切に扱っていることが伝わるります。

言葉遣いは、敬語をしっかりりと理解したうえで正しく使うようにしましょう。
間違った敬語やカジュアルな話し方、口調はお客さまを不快にさせてしまうことに繋がります。
言葉の崩しすぎには注意しましょう。

2つ目に、「質問スキル」を磨きましょう。
質問は、お客さまの気持ち、要望、不安、疑問をしるための必須スキルです。

売れない販売員の特徴として、質問がない、質問の質が低いといった傾向があります。
お客さまが話をよく聞き、お客さまの言葉の意味をよく理解し、言葉の裏にある潜在ニーズまでひきだせるようになれると、その後の商品説明、提案に説得力が増します。

売れる販売員は質問の質が高い、つまりお客さまの本来の気持ちを理解するための質問を臆することなく投げかけることができているのです。
普段からある程度の質問内容を考えておくのも一つの対策です。
しかし、全てのお客さまに当てはまることではないため、ロールプレイングなどを通じて、質問スキルを磨いていきましょう。

3つ目に、「傾聴スキル」を磨きましょう。
相手の言葉への反応が「そいうなんですね」「なるほど」などとワンパターンになっていませんか?
聴き方には、オウム返しをする、返事をする、要約をする、共感をするといったパターンがあります。
共感のフレーズを多く入れることで、相手は自分のことを分かってくれているという気持ちになります。
「それはいいですね」「楽しみですね」「緊張しますよね」などと、相手の気持ちに共感するフレーズを多く取り入れていけるようにトレーニングしましょう。

4つ目に、「クロージング力」を磨きましょう。
商品やサービスを買ってもらうためには、最後のクロージングが必要です。
お客さまに「買います」と言ってもらうための場面です。

これが弱いと商品やサービスは売れません。

悩んでいるお客さまに購入に向けてポンと背中を押すような、説得力のあるクロージングが必要です。
クロージングの際には、相手の要望や、購入することのメリットを再度提示しながら断定的に、自信をもって伝えましょう。
何といっても皆さんはプロなので、自信をもって商品の良さ、お客さまに取ってのメリットをお伝えください。

売れる販売員になるための練習方法

売れる販売員になるためには、経験を積むこと、接客の練習をすること、本を読んだり研修を受けたりして販売スキルを磨く必要があります。

1,経験を積む
毎日の接客で、うまくいった事例、失敗した事例を集めておきましょう。
どちらにおいても必ず理由があるはずです。お客さまと上手くコミュニケーションが取れたから売れた、質問をしてお客さまの要望を聞きだしてから提案したから売れたなどです。

逆に、商品の説明ばかりしてしまったので売れなかった、お客さまの気持ちを知ることができなかったから売れなかったなどもあるでしょう。
一回一回の接客を振り返ってみましょう。
良いところは更によく、課題を明確にして次の接客に活かしていけると、接客スキルは徐々に上がってくるでしょう。

2,接客の練習をする
つまり、誰かにお客さま役をしてもらって、ロールプレイングを行うのです。

アプローチから、クロージングまで一通り行ってみましょう。
終えた後は、自分自身の感想、お客さま役から気づいた点をフィードバックしてもらうと良いでしょう。その際も、良かった点、改善点をチェックするようにしてください。

方法として、ビデオ撮影をすると全体の立ち居振る舞い、表情なども確認できます。
客観的な視点で自分自身の接客を確認できるのでおすすめです。
無意識にしている動きの癖を知ることがあります。
スマートフォンなどで音声だけを録音するのも良いです。会話の内容は良かったか、話癖がなかったか、言葉遣いは正しかったかを確認できます。

職場の人、家族などにお客さま役になってもらい練習してみましょう。

3,本を読んだり、研修を受講して学ぶ
接客関連の本は沢山出ています。自分の学びたい本を検索してみましょう。
「トップ販売員の接客」「売れる販売術」などは複数出版されています。

また、研修もおすすめです。
接客経験の豊富な講師から直接アドバイスを受けることで、自分自身の良い点、改善点が明確になります。
質問などがあればその場で聞けるので、不安や疑問をすぐに解消することができます。

最後に

売れる販売員と、売れない販売員の決定的な違いと、売れる販売員になるためのポイントを
お伝えさせていただきました。

販売員だけでなく、売れる営業マンになるたるためにも共通のことが言えるでしょう。
売れる営業マンは、事前に相手のことをヒアリングしてから、商談本番に挑みます。

物やサービスを売るためには、ヒアリング力は磨いておくべきでしょう。

自分本位にならず、相手本位で話を進めることは、ビジネスにおいて大変重要なことなのです。

お客様本位の接客、今日から是非チャレンジしてみてください。